日記・談義坊 /

I CAN・ノーベル平和賞授賞


 日本農業新聞のコラム【四季】より転載 2017・12・10掲載

 心から祝いたい。これを機に核廃絶のうねりが高まることを祈る▼ノーベル賞授賞式が10日開かれる。国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN=アイキャン)がオスロで平和賞を受ける。核兵器を法的に禁止する核兵器禁止条約採決への貢献が評価された。条文の前文には、「ヒバクシャ」の文字が盛り込まれている。広島と長崎の惨禍を念頭に置いた。文学賞を受けるカズオ・イシグロさんは「大きな喜びだ」と語った。母親は、被爆者である▼にもかかわらず、率先して賛成すべき日本政府は反対する。「核兵器国と非核兵器国の対立を深める恐れがある」との政府説明が、妙に空々しい。「核の傘」を差し出す米国への気兼ねとの受け止めが、まだすっきりする。ICANの授賞式を安倍晋三首相ら日本政府関係者はどんな思いで見るつもりだろう▼日本は戦後一貫して核の廃絶を訴え、今年も政府は核兵器廃絶決議案を国連で提案した。24回目となる。総会で採決はされたが、賛成国は11減った。日本政府の“奇怪”な行動への不信の現れなら、由々しい。北の脅威があるとしても、唯一の被爆国として核兵器廃絶へ国際世論を高めることこそ日本の役割のはず▼「矛盾撞着(どうちゃく)」、二枚舌のごとき外交を続けていては、信頼を失うだけである。