日記・談義坊 /

虚実皮膜・コラム「四季」


 農業新聞のコラム「四季」より、転載。

 虚実皮膜。その微妙な境界に芸の真実が宿るという。現実の政治ではウソとホントの境が分かりづらい。獣医学部新設問題で「総理の意向」はあったのか、なかったのか。閉会中審査でも判然としない。▼詩人で劇作家の寺山修司は、虚実ない交ぜの時代にあって、真実だと思える唯一のものは「誇りをかけるに足る美しいもの」と言った。その点、前川喜平・前文科次官は、誇りを懸けゆがめられた行政を告発しているかに見える▼その前川さんが記者会見でメディアにも物申した。「権力が私物化され、『第四の権力』と言われているメディアまで私物化されたら、日本の民主主義は死んでしまう」。一呼吸置いて、「その入り口にわれわれは立っているのではないか」▼米国ではトランプ政権とメディアの冷戦が激しさを増している。「ウソニュース」呼ばわりされたメディア側は、事実で抵抗を続ける。米在住のジャーナリスト津山恵子さんに、その闘いぶりを教わった▼ロイター通信の対トランプ編集方針 ー 。「おびえてはならない」「理由があっても怒ってはならない」「報道の置かれた状況に悲観してはならない」。そして人々がより良い判断ができるよう必要な事実を届ける。「情報を得るために一つのドアが閉ざされたら別のドアを開く」。