日記・談義坊 /

ファシズムに向かっているのか?


 今年の、天皇陛下の新年に当たってのご感想の中に、
「本年は終戦から七〇年という節目の年に当たります。多くの人々が亡くなった戦争でした。各戦場で亡くなった人々、広島、長崎の原爆、東京をはじめとする各都市の爆撃などにより亡くなった人々の数は誠に多いものでした。この機会に、満州事変に始まるこの戦争の歴史を十分に学び、今後の日本のあり方を考えていくことが、今、極めて大切なことだと思っています」
と、述べられている。まるで、満州事変の始まった九月十八日に戦争法が成立してしまうのを予言するかのようなご感想である。

 君主論で有名なマキアベリが、
「戦争は始めるのは簡単だが、終わらせるのは難しい」
と、言っている。

 戦争って、動き出したら止まらないのだ。
 第二次世界大戦の時は、陛下が「御聖断」により気の狂った軍部を止めた。

 第二次世界大戦の時、ポッダム宣言受諾に当たっての御前会議で陛下が述べられた御言葉をかみしめる必要がある。(因みに、これは御前会議に書記官として入っていた郷土鹿児島の先輩である迫水久常書記官の述懐である)。

 「大東亜戦争が始まってから陸海軍のして来たことを見ると、どうも予定と結果が大変に違う場合が多い。今、陸軍、海軍では先程も大臣、総長が言ったように本土決戦の準備をしており、勝つ自信があると言っているが、自分はその点について心配している。先日、参謀総長から九十九里浜の防衛について話を聞いたが、実はその後、侍従武官が実地に見てきての話では、総長の話とは非常に違っていて、防衛は殆ど出来ていないようである。又、先日、編成を終わったある師団の装備については、参謀総長から完了の旨の話を聞いたが、実は兵士に銃剣さえ行き渡っておらない有様であることが判った。このような状態で本土決戦に突入したらどうなるか、自分は非常に心配である。日本民族は根絶やしにされてしまうのではなかろうかと思う。そうなったら、どうしてこの日本という国を子孫に伝えることが出来るか。自分の任務は祖先から受けついだこの日本を子孫に伝えることである。今となっては、ひとりでも多くの日本人に生き残ってもらって、その人達が将来再び起ち上がってもらうほかに、この日本を子孫に伝える方法はないと思う。それにこのまま戦いを続けることは、世界人類にとっても不幸なことである。自分のことはどうなっても構わない。堪え難きこと、忍びがたきことであるが、この戦争をやめる決心をした次第である」

 立憲君主として「あ、そう」と臣下の判断を追認してきた陛下が、軍部を含む官僚機構のウソの報告という「凡庸な悪」を指摘し、「我が民族が根絶やし」にされることに言及され、世界人類のことにまで触れて戦争終結を宣言されたのである。
 今は、御前会議も御聖断もない。それに代わるはずの、主権者国民の代表たる国会議員の集まる国会は、正しい決断を下せるのでしょうか?
 軍部の暴走を止めたのは陛下だったが、暴走する「政府」を止めるのは「国会」しかないのだ。できるのか?心配です。

 山本太郎氏が、採決の際に数珠を持って登壇し物議を醸した。「自民党は死んだ」と言ったそうだが、「国会」が死んだのではないのか。

 大日本帝国憲法下では、主権者は天皇陛下であったために、陛下の御聖断で危機を回避した。現憲法下では、主権者は国民ひとりひとりであります。危機を回避できるか否かは、私たち主権者国民ひとりひとりが、権限を行使できるかどうかにかかっています。
 大丈夫でしょうか、みなさん。