日記・談義坊 /

石原慎太郎氏「令和」だって?ピンとこないな。


 慎太郎氏のインタビュー記事、スポニチ紙でした。手に入りましたので、長いですが紹介します。もう、86歳でしょう。慎太郎節健在ですね。好きな人物ではありませんが、おもしろかったので、そのまんま引用。

 「令和」だって?ピンとこないな。「令」なんてどいう意味があるの?ずいぶんたくさん文章を書いてきたけれど「命令」とか熟語以外使ったことがない。難し過ぎて親しみにくいよ。「和」は使われると思っていた。動乱の世の中、平和安定の源という意味でね。

 出典が万葉集といっても、今の人は誰も読んでいないよ。万葉集自体は素晴らしいもので、あの時代にあったことは日本の文化の深さだ。でもわざわざあんな難しい言葉を引用してくるなんて、ペタンティック(教養を見せびらかしているよう)に見える。総理の会見はショーアップだな。政権アピールの絶好の機会だから。総理だって有識者や役人が事前に用意したことを言っているだけなんだから。本来教養とは自分で学び、考え、培うものだ。今日も若者や多くの人が携帯電話やパソコンで「令」の字の意味や万葉集を調べているんでしょう。その結果、皆が万葉集を読みますか?ただ、その意味だけを共有するのに一生懸命になっている。あんな物から得られる情報は限られたものでしかないし、分厚い教養にはならない。本を読んでほしい、本を。

 歴史を知らないと先見性が持てない。一歩身を引いて歴史を背景に、今の時代を考えないといけない。“今”というのは歴史の続きにあるのだから。なぜ今「先見性」がもとめられるかというと、これから世界はもっと動乱の時代になっていくからだ。これからの日本は大変ですよ。

 振り返ると「平成」はその名の意味と違って動乱も多く、日本が災害列島であることが示された。今の天皇陛下にとって大変な時代だったと思う。僕が都知事をやっている時に東日本大震災が起きた。「東北は大変な惨状です。お疲れもありますし、皇太子さまと秋篠宮さまを名代にしたらどうですか」とお話しした。しかし陛下は「東北には私が行きます」とおっしゃった。クタクタになりながら東北に何度も何度も行っていらっしゃった。だからあの時、未曽有の危機にあったこの国は一体感を失わずに済んだんだ。

 いろんな海外の記者が美智子さまのことを「世界で一番素晴らしく、一番優雅な皇后だ」と言っている。皇后さまの努力で今の陛下があった。現在、皇室は週刊誌ダネやテレビダネになって卑近(ひきん)なものにされつつある。このままでは天皇を核にした一体感は薄れていくだろう。

 元号が変わったから日本が変わるなんて幻想を持ってはいけない。歴史を背景に今の時代を考えないといけないのに、皆が歴史を知らない。これからの日本には大きな「選択」と「覚悟」が求められる。そこには先見性がなければいけない。例えば非核三原則とか言いながら核兵器の開発を考えていた佐藤栄作。凄い二枚舌ですよ。それは歴史的には評価すべきことだ。

 政治家は自分で考えなきゃいけない。政治家も人も個性が大切で、個性をつくるのは感性ですよ。そのためには趣味を持ってほしい。趣味を持てばうまくなろうと工夫をし、頭も刺激されるから発想力が出てくる。何かに夢中に、耽溺(たんでき)することで自分で考える力がついてくる。皆がそうなれば、これからの日本も変わることができるかもしれない。今の日本人に必要なのはそこじゃないかな。