日記・談義坊 /

クイズ<第9問>条例に関して(平成11年改正)


【問】地方自治法に定める条例に関する記述として妥当なのは、次のどれか。

1 普通地方公共団体は、義務を課し、又は権利を制限するには、法令に特別の定めがある場合を除くほか、条例によらなければならない。

2 条例案の提出権は、長及び議会の議員の両方が有しているが、既に法律が規制している事項については、条例を制定することはできない。

3 条例を制定又は改廃することは議会の議決事項であり、議会で可決されたときは、長は3日以内に条例を公布しなければならない。

4 都道府県は、その区域内の市町村の事務に関し、法令に特別の定めがあるものを除くほか、条例で必要な規定を設けることができる。

5 条例の施行期日は、通常、条例の付則で定められるが、この定めがないときは、公布の日から20日を経過した日をもって施行される。

【解説】

1 条例制定の範囲

普通地方公共団体は、法令に違反しない限りにおいて条例を制定することができる(法14条①)。条例を制定することのできる範囲は、地域における事務及びその他の事務で法律又はこれに基づく政令により処理することとされるすべての事務に及ぶ。平成11年の法改正前は、機関委任事務については条例を制定することができなかったが、機関委任事務の廃止により、地方公共団体は自治事務に限らず、法定受託事務に関しても条例を制定することができるようになった。

2 条例の効力

 条例の効力は、当該地方公共団体の区域内においてのみ及ぶ、区域内であれば、住民であるか否かを問わない。形式的な効力としては、国の法令に劣るとされる。

3 条例制定手続き

① 条例案の提案

長及び議員の双方が有するが、都道府県の局や部の設置に関するものなど、条例によっては、発案権が長に専属しているものがある。

② 条例案の議決

出席議員の過半数で決するのが原則であるが、長が条例を再議に付した場合や地方公共団体の事務所の位置の条例を定める場合は、特別な議決が必要である。議決がなされたときは、議長が3日以内に長へ送付する。

③ 公布及び施行

長は、再議その他の措置を講ずる必要がないときは、送付を受けた日から20日以内に公布しなければならない。条例は、特に定めのない場合、公布の日から起算して10日を経過した日から施行される。

4 罰則

 条例中には、条例に違反した者に対して刑罰を科する旨の規定を設けることができる。

罰則の種類は、行政刑罰(刑法総則の適用がある)としての懲役、禁錮、罰金、拘留、科料、没収と秩序罰(刑法総則の適用はない)としての過料である。

補足(もっと深く学ぶために)

条例の中には、住民の権利や義務を規制するものがあり、憲法に定める基本的人権を公共の福祉との関係でどこまで成約できるかという問題がある。

【解答】

1 正しい(法14条②)

2 誤り。条例は、法令に違反しない限りにおいて制定できる(法14条①)ので、国の法令がまったく規制していない場合に制定できるのみならず、法令が規制している場合においても、法令の執行を妨げたりせず、また法令の規制と別の目的を有するときは条例を制定できる。

3 誤り。議決があったときは、議長が3日以内に長に送付し、長は送付を受けた場合において、再議その他の措置を講ずる必要がないと認めるときは、その日から20日以内に公布しなければならない(法16条②③)。

4 誤り。地方分権一括法による改正以前は、都道府県は、市町村の行政事務に関し、法令に特別の定めがあるものを除くほか、条例で必要な規定を設けることができた。この条例を統制条例といい、統制条例に違反する市町村の条例は無効とされた。

問題文は、改正前の法14条第3項そのままであるが、平成11年の法改正により廃止された。

5 誤り。条例に特別の定めがあるものを除くほか、公布の日から起算して10日を経過した日から施行される(法16条③)。

【正答】 1